生活習慣病総論
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  生活習慣病各論
 



 

生活習慣病による各種疾患が増加が増加しています。生活習慣病の治療として、食事療法、運動療法がもっとも大切です。医療費の患者さん負担が今後も増加して行く可能性があります。日常生活に注意して、健康な毎日が送れるようにしたいですね。


生活習慣病総論
生活習慣病は、遺伝的な体質に加齢や食習慣、運動習慣などの環境因子が加わり発症する病気の総称です。

この中には、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、ある種の癌、虚血性心臓病、脳血管障害、老年期痴呆が含まれます。

高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、肥満などをきちんとコントロールしておかなければ動脈硬化が進み、やがてあちこちの血管が詰まってきます。
生活習慣病イラスト1



生活習慣病治療
例えば高血圧について考えてみましょう。高血圧を患ってられる方はその背景に内臓脂肪症候群、インスリン抵抗性が潜在している事が多く、高血圧以外の危険因子、例えば脂質代謝異常や糖尿病が潜んでいる事が多いようです。

その場合高血圧を薬物で下げるのみで良いわけではなく、その他の危険因子も下げるために、運動療法や食事療法が必要となってきます。




運動療法について

■運動にはさまざまな効用があります。
(1) 糖代謝に良い影響(糖尿病の予防・改善)
(2) 脂質代謝に良い影響(中性脂肪が減って、善玉コレステロールが増えます)
(3) 血圧が下がる(運動は血圧や脈拍を調節する自律神経を鍛えます)
(4) 持久力が上がる
(5) 骨密度の維持・増加
(6) 免疫能の活性化
(7) ストレスの解消

■では運動を始めるとしたらどんな運動が良いのでしょうか。運動には下の3種類の運動があります。
(1) 有酸素運動:ウォーキングや水中歩行などの持久力を鍛える運動
(2) 筋力トレーニング:腹筋やスクワットなど筋力を鍛える運動
(3) 柔軟性トレーニング:ストレッチなど柔軟性を鍛える運動
これらをバランス良く組み合わせて行なう運動を、ウエルネストレーニングと言い、健康に直結する体力(持久力、筋力、柔軟性)を維持・増進し、疾病の予防や改善に効果があります。

■具体的な運動例を紹介します。
(1) 5分くらいゆっくり歩く
(2) 身体が少し温まったら、ストレッチ
(3) ダンベル早足でウォーキング(できれば15分くらい続けて)。この時話しながら歩く事が出来るくらい余裕があったほうが良いのですが、汗もかかないほどでは効果も望めません。なれてくると物足りなくなるのでまず時間を増やしてゆき、1時間ぐらい歩けるようになったら少しペースをあげていくと良いでしょう。
(4) 少しずつペースを落として終わり、最期にストレッチをしておきます。
(5) 余裕があるなら、週に1〜2回軽い腹筋やダンベル体操などを加えると理想的です。
(6) ストレッチや筋力トレーニングをされる時、くれぐれも息を止めないように気をつけてください。

■運動は両刃の剣です。以下のことには気をつけてください。
(1) 体調の悪い時はしない
(2) 暑い時、寒い時、直射日光の下での運動は避ける
(3) 早朝、深夜、空腹時や食直後は避ける
(4) 水分補給は十分に。運動により血圧が上がると、血液も固まりやすくなります。喉が渇いてなくても水分はこまめに取ってください。
(5) いきなり運動量は増やさずに、軽めからスタートして下さい。自分にあった運動量が最も効果があり、楽に続けていく事ができます。
(6) ウォーミングアップとクーリングダウンをしっかりする。
(7) 慢性疾患のある方は、主治医と相談してからとしましょう。生活習慣病の治療をされている方は気が付かないうちに動脈硬化が進行している事も多いので、運動負荷心電図などのメディカルチェックを受けてからにしましょう。



食事療法について
減量や糖尿病コントロール目的の食事療法の場合、食べてはいけないと考えがちですが、大切なことは以下の三つのバランスです。

[1] 量のバランス
エネルギーバランス図消費と摂取がまったく同じになるのが理想的。減量の必要な方は少し摂取を減らします。現在ベスト体重ならば体重の変動が無いように食べましょう。摂取エネルギーが多いと生活習慣病になりやすく、少ないと免疫力が低下したり、貧血や骨粗鬆症になりやすくなります。

[2] 配分と時間のバランス
配分と時間のバランス例えば糖尿病の場合、指示カロリーを3分割して食べます。多い時や少ない時があると、多い時に膵臓に負担をかけることになり糖尿病が悪化します。また、時間も空けすぎず、詰めすぎずが理想的。膵臓を休ませるためにも、不規則な間食や夜食は控えたいものです。

[3] 食品のバランス
食品はおおざっぱに分類すると、糖質、たんぱく質、脂質に分類されます。これらをバランスよくとるのが理想的ですが、朝昼夕3食ともこれらの栄養素が含まれるようにしましょう。
又、もう少し細かく分けると6種類の基礎食品に分かれます。6種類を1日1回は食べるようにしましょう。
 栄養バランス
生活習慣病の患者さんの食事記録を見ていると、野菜をとる量が少ない方が多いように思います。野菜は、血糖の上昇を緩やかにして、膵臓の負担を軽くし、またコレステロールの吸収をおさえます。たくさん食べてもカロリーは低いので、積極的にとっていただきたい食品です。



 
 
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