生活習慣病総論
生活習慣病各論
> 肥満(症)について
> メタボリックシンドロームについて
> 高血圧
> 脂質代謝異常について
> 糖尿病について
> 高尿酸血症について
> 睡眠時無呼吸症候群について



 


■生活習慣病の発症・進行に関与する生活習慣病各論


肥満(症)について
肥満(症)とは、体脂肪の多い状態のことです。脂肪量の測定ができないときは、体重で代用して差し支えのない場合がほとんどです。(よく運動していて筋肉量の多い場合や、運動量が極端に少ない場合は、脂肪の量と体重が相関しない場合があります。)肥満かどうかの判定には、一般的に体格指数(BMI)が良く使われます。求め方の式はBMI=体重(kg) ÷身長(m)÷身長(m)です。
脂肪細胞はエネルギーの貯蔵だけでなく、さまざまな生理活性物質をだしています。糖尿病や高血圧、脂質代謝異常などの生活習慣病を引き起こす物質も出しているので、これらの病気を合併している人は、体脂肪を減らすと病気が良くなる人が多いのです。男性に多いおなかが出っ張っているのにつまめない内臓脂肪型は、血流の多い内蔵に脂肪が溜まっているため、生活習慣病を合併しやすいと言われています。



メタボリックシンドロームについて
高血圧、脂質代謝異常、糖尿病などの生活習慣病は、一人の患者さんに重積して起こることが多いことがわかっており、それぞれの病態が軽いものであっても、重積して起こることにより、心血管イベントの発症が多くなることがわかっております。飽食と運動不足を背景に肥満を基盤に起こるこのような病態をメタボリックシンドロームと呼ばれるようになりました。

その診断基準としては
腹腔内脂肪蓄積のマーカーとしてウエスト周囲径が
  男性85cm以上
女性90cm以上

上記の中で、以下の2つ以上のリスクを有する場合をメタボリックシンドロームと診断します。
1、 高中性脂肪血症(150mg/dl)か低HDL(40mg/dl未満)のいずれか、又は両方
2、 血圧高値(収縮期130mmHg以上か拡張期85mmHg以上のいずれか、又は両方)
3、 高血糖  空腹時血糖110mg/dl



高血圧について
血圧が慢性的に高いことを高血圧と言います。日本高血圧学会では高血圧を軽症から重症の3段階に分けています。さらに高血圧と正常血圧の間に、正常高値血圧が設定されており、予防のために注意しましょうという段階です。
2004年の日本高血圧学会において、高齢の方や、糖尿病、腎障害を合併した方の降圧目標が低めに設定されるなど、より厳重な降圧が必要であることが確認されました。

< 血圧の日内変動について >
一般に血圧は朝起きたときから上昇し始め、昼間活動期に高く、就寝とともに下降し、夜間睡眠時に低いというのが基本パターンです。ところが中には夜間も血圧が下がらず翌朝まで高いままだったり、夜間に下がっても起床と同時に急激に上がったりする人がいます(早朝高血圧)。脳卒中や心筋梗塞は早朝に多発しており、早朝の血圧上昇が関与しているといわれています。
高血圧の診断は、病院の外来でいすに腰掛けて安静にして上腕で測定した血圧を用います。これを随時血圧といいます。しかし病院での測定の時のみ高い人(白衣高血圧)も多く、むしろ家庭で測った血圧(家庭血圧)を参考に治療をしたほうがいいのではないかとも言われております。
血圧が気になる人は、家庭血圧をこまめにチェックされ、日内変動のパターンや、季節による変動をチェックされることをお勧めします。





脂質代謝異常について
血液中には身体を動かすエネルギーとして使われる中性脂肪と、細胞膜の構成成分などとして使われる、コレステロールがあります。いずれも重要な働きをになってますが、増えすぎると動脈硬化を引き起こします。さらにコレステロールには全身の余分なコレステロールを回収する善玉コレステロール(HDLコレステロール)と全身にコレステロールを運んで動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)があります。



< リスク別脂質管理目標値 >
治療方針の原則 カテゴリー 脂質管理目標値(mg/dl)
  LDL以外の主要冠危険因子 LDL-C HDL-C TG
一次予防
まず生活習慣の改善を行った後、薬物治療の適応を考慮する
T(低リスク群) 0 <160 ≧40 <150
U(中等度リスク群) 1〜2 <140
V(高リスク群) 3以上 <120
二次予防
生活習慣の改善とともに薬物治療を考慮する
冠動脈疾患の既往 <100
TC:総コレステロール、LDL-C:悪玉コレステロール、
HDL-C:善玉コレステロール、TG:中性脂肪
冠動脈疾患とは狭心症、心筋梗塞のこと
LDL-C以外の主要冠危険因子としては、加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL(40以下)
糖尿病があれば他に危険因子がなくてもカテゴリーV扱いとする
脳梗塞、閉塞性動脈硬化症があればカテゴリーV扱いとする



糖尿病について
インスリンが十分に分泌されていないか、分泌されていても効かない状態(インスリン抵抗性といわれています)になっているために、血液中のブドウ糖が利用できなくなり、血糖値が上昇している状態です。
高血糖が持続すると、糖尿病の3大合併症といわれる網膜症、腎症、神経障害などが進行します。また、心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる動脈硬化は、軽度の糖尿病や糖尿病の予備軍の段階から進行していきます。

< 血糖コントロールの評価と目標値 >
コントロールの評価 不可
不十分 不良
HBA1c 5.8未満 5.8〜6.5未満 6.5〜7.0
未満
7.0〜8.0
未満
8.0以上
空腹時血糖値 80〜110
未満
110〜130
未満
130〜160
未満
160以上
食後2時間の血糖値 80〜140
未満
140〜180
未満
180〜220
未満
220以上



高尿酸血症について
血清尿酸値が7を超えた状態を高尿酸血症といいます。もともとの体質から尿酸値が高い原発性のものがあり、さらに食べ過ぎや飲みすぎ、肥満や運動不足などがそれを悪化させている場合が多いです。その他、ある種の病気(血液の病気や腫瘍など)や薬(利尿剤など)の副作用で起こる二次性のものがあります。
高尿酸血症を放置すると痛風発作や尿路結石、さらに動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞の原因の一つにもなります。
7以上では肥満の是正やアルコール制限などの生活習慣の改善が必要であり、8を超えると尿酸降下薬による治療を必要とします。治療の目標は6以下です(6−7−8のルール)。





睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸は単に昼間の眠気に関与するだけでなく、生活習慣病の原因のひとつであることがわかってきました。低酸素血症が繰り返されることにより、交感神経が刺激されたり、インスリン抵抗性が増大することなどが原因のようです。成人の2-4%が罹患しているとのデータもあります。生活習慣病の方は、睡眠時無呼吸が原因になってないか検査してみることが必要です。


 
 
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